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2009 
June 14
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
スティーグ・ラーソン
早川書房 刊
発売日 2008-12-11




骨太なミステリ 2009-05-19
スウェーデンの作家ラーソンの長編ミステリ3部作「ミレニアム」の第1部です。


超ベストセラーとなった本書はなんと、世界で800万部も売れたそうです。しかも作者はその成功を知らぬまま出版の前年に心筋梗塞で急逝。なんともドラマチックなエピソードが付随しています。


しかし、そんなエピソードもぶっ飛ばすのが本書「ミレニアム」の骨太な魅力。まだ2部までしか翻訳されてないのがじれったい。

上下巻の長編で、登場人物は50人以上、しかも名前がスウェーデン名が覚えにくいというハンデがあるのに、ストーリーの面白さにグイグイ読めてしまいます。一言で言えば「ミステリの美味しいところをてんこ盛りにした小説」でしょうか。


主人公ミカエルはリンドグレーンの産み出した「名探偵カッレ君」に、もう一人のタトゥーの女性主人公は「長くつしたのピッピ」になぞらえたキャラクターですが、このピッピことリズベットが際立ってます。拒食症のように痩せこけて、パンクファッションに身を固め、コミニュケーションがとことん苦手な少女。

前半は経済ジャーナリストのミカエルの裁判について描かれるため、ちょっと停滞するかも知れませんが、そこを抜けると一気にストーリーは加速します。


「死者からの贈り物」

「孤島の犯罪」

「謎の暗号」


いくつもの謎が絡み合いせめぎあって、ミカエルの調査を進めたり妨害したり。

その結末もまた一筋縄ではいかないものでした。


贅沢なミステリであり冒険ものであり、全巻揃うのが待ち遠しい作品です。




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